2011年の自作を振り返ってみる

 四年目になりました! はい、年末恒例企画、自作を振り返ってみるという例のアレです。はたしてこの企画にどれほどの需要があるのか、単なるわたしの自己満足ではないのか、等々疑問は尽きませんが、とりあえず行けるところまで行ってみよう、後悔先に立たず、先に立つのは向こう見ず、という感じで、見切り発車でがんばります。

 どうもこんにちは、アネクメーネ防衛軍の管理人、叶衣綾町です。
 2011年、世間では色々なことがありましたが、みなさまにとってはどんな一年だったでしょうか。つらいこと、苦しいことはありますが、たった今こうして生きている以上、わたしたちはこれからも生きていくことができるはずです。頑張っていないわたしは、「頑張ろう」なんてことは言いません。しかしせめて、抱え込むくらいならば捨ててしまうくらいの、適当な感じで生きていけたらいいんじゃないのと無責任に考えております。

 話を戻します。
 そういえば去年書いた「2010年の自作を振り返ってみる」で、来年の目標として「今年よりもたくさん更新する」なんてのを掲げていましたね。あはは。遠い目をしつつ。
 去年の更新頻度があんまりだったのでそれと比較すればずいぶんとマシになったものの、今年も更新頻度は控え目でした(控え目な表現)。今年は忙しかったですねー。去年は気力の不足による執筆の放棄が要因としては多かった気がしますが、今年は純然たる時間の不足と去年に引き続き気力の減退が激しくて、単純に要因が二倍になったのに更新頻度は倍以上になったということで、多少の評価はして欲しいなーと思ったりしています(チラチラッ
 しかし今にして思えば一年目と二年目の更新頻度が異常だっただけのような気がしますが……。原稿用紙1000枚とか狂気の沙汰ですね。今年は更新分だけを合計すればなんとか届きそうな具合ですが、しかし更新分には去年書き溜めた分もあるので、純粋な執筆量は確実に1000枚を割っていると思います。逆に今年は、来年用のストックはなにひとつ作れませんでしたからね……。もう完璧にスッカラカンの状態です。

 また今年起きた変化として、小説家になることへの諦めのようなものが非常に色濃くなってきたことを告白しておきます。まあはっきり言えば自分の小説に対する失望、自信の喪失が激しくなってきたと言いますか。今まではどんなに酷評されても新人賞で落とされても「どこをどう直せばより面白くなるのか」「いつかは面白いものが書ける」という非常に前向きな精神で粘ってきたのですが、今年の下半期くらいから、唐突にそういった精神の転換ができなくなってきました。わたしには才能もセンスもない、ということをある日突然確信してしまったというわけなのです。まあもともと、自分が小説家になれる、いやなりたいという希望自体が根拠のないものだったわけですから、これは根拠のない絶望によって簡単に打ち砕かれてしまうものなのです。
 しかしながら、そうした心持ちにあっても、自分は面白い小説が書けない、少なくともプロに匹敵するようなレベルにはまったく到達できない、いやしかし、その中で少しでも面白いものを、誰かの目にとまって、ほんの少しの時間でもわたしの考えたことを誰かと共有できればいいのではないか――。もともと最初にアネクメーネ防衛軍をオープンしたときの最初の精神はまさにそうだったはずです。誰か一人でもわたしの小説を楽しみにしてくれるのならその人のために書き続けよう、という心です。「小説家にならなければならない」という枷を取り外すことで、より純粋な気持ちの、ただ「書く」ということだけに取り組むような執筆ができるのではいか、と期待しています。





 !注意!
 以下の「あとがき」には本編に関する重大なネタバレが含まれます。
 それぞれの小説を未読の方は目を通さないことをおすすめします。







――あなたに、感謝を込めて。

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