「毒のある生活」あとがき
さよならベルティエール、灰色に続いて書いた短編小説。
長編ばかり並んでたんじゃ読む方も辛いだろう、という至極いい加減な理由で短編小説を書こう、ということになったと記憶しています。
まあどうせだからと、わたしの苦手分野だった恋愛小説に挑戦してみたのが本作です。
が、これを読ませた友人からは「でもこれ、恋愛してないよね」という厳しいお言葉を頂いてしまいました(爆
恋愛小説における掴みと落ちの付け方がぜんぜん分かっていません。この辺りの問題は現在に至るも未だ解決せず。根深いですね。
仕方がないので中途半端に文学っぽい落ちをつけて逃げを打ったわけです。ですが、個人的にこの展開は割と気に入っていますし、作中で語られている、毒を甘受して踏破することの重要性は今でも重要なテーマだと思っています。
にしてもこのタイトルは我ながらすごいですよね。
「毒のある生活」。どんな生活だよ、と。
タイトルのインパクトだけで読みに来た方もいらっしゃるのではないでしょうか。というのはちょっと自惚れ過ぎかもしれませんが。
手塚歩香
主人公。
それまで公開していた二作は三人称だったのですが、元々わたしは一人称から小説に入った人間なので、歩香の一人称はとっても書きやすかったです。
知波先輩との掛け合いが愉快。
涼代先輩
物語のキーパーソン。
変な人属性を持っているので地の文で歩香にたくさんツッコミ入れられてます。
基本的に臆病で無気力。ぐいぐい引っ張ってくれる歩香のような人となら結構長続きしそうです。
知波先輩
面白い先輩。
一般的なラブコメでは、歩香は涼代先輩とではなくて知波先輩とくっつくのが妥当なんじゃないかと思います。いや、当て馬になる可能性は双方持ってますが(笑
役割を決めてからキャラクターを付けたので、彼の性格付けには特別な理由や必然性はありません。恋というのは理屈ではないので、主人公の気持ちに説得力を持たせるのがとても大変。