「アステリアの休日」あとがき
「青色」の執筆と平行して書いたのが本作です。
短い話をすぱっとまとめられる能力が欲しかったのと、「毒のある生活」の評判があまり芳しくなかったのとで(爆)、ここはいっちょう大衆向けなのを、と適当に肩の力を抜いて気軽に書いてみたのが、気がつけば当サイトの看板小説になってしまいました。
「練習」ということを強く意識して書いたので、プロットをろくに決めず、起承転結の四部構成になるようにアドリブで書き進める、というやり方をしていました。当時から、書いている途中でプロットがしっかりしていない部分にさしかかると筆が止まる、というのが執筆速度を上げるための壁になっていました。それを克服するため、アドリブでばんばん書き進める能力を鍛えるために本作を書き始めたんです。
結果、なかなか出来の良いしゃれた短編にはなったのですが、筆が止まるのは相変わらず克服できず。本作も、結局気がつけばいつもの通りプロットを書いてしまいました。どうやらわたしはプロットがないと一行も書けない性分のようです。
リリ・オールト
財務官のヒロイン。一貫してナザレ視点で語られる本作では彼女の心は闇の中……。物語的に彼女はナザレのための装置なので、深く掘り下げられませんでしたが、前から彼女もナザレのことが好きだったんじゃないかな。本人はそれほど王室財務調査官の仕事に思い入れがある訳じゃなくて、単にナザレと言い合いをするのを楽しんでいる、という。
子供っぽいナザレとは対照的に、恋愛に関してはどこか余裕のあるお姉さん、といったキャラクターになってます。デートを受けた際の余裕や最後のキスなど、ナザレを手玉に取ってる印象がありますね。
そういえばリリは眼鏡をかけていましたが、アステリアの科学技術で果たして眼鏡を作れるんでしょうかね。あと、キスのとき邪魔にならなかったのかな。
ナザレ・スレショルド
主人公、ってことでいいのかな?(汗
騎士団の団長。の割には色々子供っぽい。どちらかというと貴族の馬鹿息子みたいな彼ですが、そういう何事にもこだわらない性格だからこそ、身分という壁を越え騎士団長として貴族の部下を指揮することができるのかもしれませんね。あるいはオスカという防波堤があるからでしょうか。
リリと結婚したら間違いなく尻に敷かれますね。身分的にも、いろいろと辛い目に遭いそう。まあ、本人はそんなこと気にしないでしょうが(笑
オスカ・ドーンツ
騎士団の副団長。
ナザレを演劇に誘おうと画策したり、なんかいろいろと疑わしい人物(笑
単に不器用なだけかもしれませんね。友人としてナザレのことが大好きなんだけど、それを表現する手段がないから演劇に誘ってみました、と(笑
ナザレだけでは騎士団は絶対にまとまらないと思います。オスカのサポートあってこそ、じゃないかと。お互いの長所を伸ばし合う理想的なコンビです。